返信。

 目指せ即時返答っ。


森山直太郎さくら(独唱)って蔵みたい。さらば友よ(智代) 旅立ちの刻 変わらないその想いを 今

 ずっと待っていた。ずっとずっと眠り続けている、君にまた会える日々を。桜咲く並木道で、手を振り続けいたよ。叫び続けたよ。たくさんの苦しい時があったね。会えない日々が続いて、くじけそうにもなった。でも、記憶の中の君は笑っていたから、笑わなきゃって思った。そしてこれからも、頑張ろうと思っている。
 そうして今、涙で景色が霞んでいくよ。あの日、二人で作った思い出がまた、唄になって聞こえてくるから。
 桜が舞う。桜が踊る。桜が咲き誇る。いつかまた、なんて程は遠くに離れないけれど。ここで一旦君とはお別れになるね。
 さよなら、智代。
 俺は旅立ちの時だから。桜舞い散る道から、歩き始めるよ。またここで思い出に華を咲かせるのは、もう少し後だけど。その時は一緒に笑えたら、いいね。

「……芳野さん。少しクサ過ぎじゃないですか」
「何を言う。お前の熱き魂、しかと歌詞に込めたんだ。きっと喜んでもらえるはずだ。俺はいいと思うぞ」
「そう言ってもらえると助かりますけど……とにかく。ご教授、ありがとうございました」
「ふっ……青春という宝石箱は本当に綺麗だ。それを守るためなら、俺はどんな助力でもする」
「で、ですよね」
「お……来たな。さて、ヒロインのご登場となっては俺はもう脇役の一人。早々に立ち去るとしよう。頑張れよ」
「はいっ」
「影ながら――二人の賛美に独唱でもさせてもらうよ」
 そうして、彼の声は先の詩に重なり始めた。 


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