SSだけどさ

 没っ。没ったっ。
 しょうがないから、途中まであげちゃう。推敲・校正一切無し。書き直し予定も無し。自分的に晒し上げ。いろいろいい加減。もうダメだと思った。以上、言い訳!
 モノ好きだけ読めばいいと思う!(ぉ



 今、数え始めて5本目の電車が、私の前を通り過ぎていった。
 カンカンと耳に痛い音がようやく鳴り終わり、遮断機がゆっくりと重い腰を上げる。入れ代わるように、車の排気音が私の横を通り過ぎていく。横にいた歩行者も、首を傾げながら私を見ていく。それも一瞬のこと、すぐに興味は別のものへと向けられるようだ。
 私は顔を下にしたまま、一歩も前へ進めない。両手に持ったバッグは微動だにしなければ、肩にかかる雪にも厚さが出来始めている。けれども寒くは無い。火照る感情と、それに伴った身体の熱にはちょうどいいくらいだ。
 そのエネルギーが、どうして足に届かないのかと思う。
 ――きっと「また」とか、「いつか」なんて淡い期待を持っているからだ。人間というのは、本当に不器用に出来ている。その背後にある不安や絶望を、包み隠したままでいられるのだから。
 未来を慈しむのではなく。過去を憂うのでも、もちろんなく。
 今という、とても歪ででこぼこな道を歩く。その長い道のりの隙間に、悲しみや喜びがあるのだと思う。
 そしてそれが、後悔しないということだ。
「…………」
 とはいえ、口に出来たところで、行動出来るかどうかはまた別の話。
 何だかわからない思考をしている内に、数えて6回目の遮断機のお辞儀が始まる。
 私はまた、道を閉ざされた。
 そこを渡ってすぐ左手にあるのは、小さな駅。
 そこからあと数分で、相沢さんはこの街を後にする。



 最後の挨拶は、前日の夜に済ませてある。
 水瀬家の方々からは中へ入るよう薦められたが、すぐ済みますからと丁寧に断りを入れた。時間が長引いてしまえばしまう程、感情の制御が難しくなることがわかっていたからだ。
「じゃ、明日行くわ」
 相沢さんはそう、ぶっきら棒に言った。
「連絡しますから、ちゃんと返して下さいね」
「ああ。でも、するなら手紙じゃなくて電話にしろよ。せっかく携帯電話も買ったんだろ」
 何故ですか? と問うと、天野らしいなと彼は笑った。そんな酷な事は無いでしょう、と胸を拳骨で軽く叩く。彼の無礼な物言いと、不必要な気遣いが辛かった。この冗談も、もう数時間後には交わせなくなる。
「じゃあ、な」
 私の手を押し返し、彼は玄関の戸を閉めようとする。はい、と短く言ってそれに従った。
 三月の夜に戻されてからも、私はすぐに踵を返さなかった。すぐに悴み始めた手がドアのノブを掴むまでは、一分とかからなかっただろう。
 ノックもせずに開けると、次の瞬間には彼の胸の中にいた。
「……まだいたのかよ」
「お互い、さまですよ」
 そこで彼は小さく、私にだけ聞こえるよう「疲れたか?」と呟いた。当たり前ですと言うと、「俺もだ」と相沢さんは苦笑いを溢した。彼の抱擁が少し力を帯びたことがわかると、私も控えめに彼を抱き締める。
 離れたくない、そう心で呟きながら。



 相沢さんと過ごした一年間は、とても素敵な時間だった。
 外の世界に誘ってくれた、彼。笑うことを思い出させてくれた、彼。
 私の傷を理解してくれる、彼。あの子と向き合う勇気をくれた、彼。

 相沢さんと過ごした一年間は、躊躇いと間違いの連続だった。
 恋を教えてくれた、彼。深まり、強く結ばれるはずの、絆。
 けれど忘れられない、記憶。奇跡の、悲しみの、連鎖。

 歩み寄ろうとすれば、断ち切られる。
 肩が触れ合おうとすれば、思い出してしまう。

 私たちの間には、いくつもの遮断機があった。
 次に電車が通り過ぎるのは、いつになるのだろう。



 左手にある駅から、7本目の電車が近づいているコールが鳴り響く。ホームが目と鼻の先に見えるここからなら、彼を探すことだって出来るのかもしれない。
 けれど、私がどんなに声を枯らして叫んだところで、何かが変わるわけではない。今から走って駅の中に飛び込んだとしても、もう遅い。もう少しでまた、あのカンカンと耳障りの悪い音が飛び込んでくるだろう。
 私はようやく身体を動かし、雪を振り払った。そのタイミングでバッグを持っていた両手を意識したのは、幸運としか言いようが無い。
 中で何かが振動している。私は反射的にバッグの中を弄り、それを手にする。
「も、もしもし?」
「あー、取ってくれたか」
 途端、穏やかになる心。
 電話帳に一件しか登録していない、彼の声だ。
「嫌われたかと思った」
「そ、そんなわけないです」
 上ずっている自分の声が、何ともみっともない。一つ大きく息をしてから、すぐにホームのほうへ視線を投げかけた。100Mは離れているそこに、彼の姿を見つけることは出来ない。
「今から出発なんだけどさ」
「知ってます」
「近くにいるか?」
「すぐ隣にある踏み切りの前にいます」
「そか」
「はい」
 左手から、電車がホームの前に停車するのが見えた。
「……そこで待ってろ」
 それだけ言って、電話は途絶えた。
「あ、相沢さん?」
 程なくして、遮断機が重低音を鳴らしながら、私の眼前に下りてくる。ホームからは出発の合図であるコールがされ、ドアが閉じるのが見えた。
 電車はゆっくりと出発する。
 相沢さんは、その先頭車両から窓を開けた。
 そして、何かを手にとって――

「受け取れっ」

 ――それを、私の元へと投げた。

 以上! 面白くないし、雑!(ぉ
 一応、この後の展開案としては、祐一の携帯をみっしー確認、メールの新規作成には、愛に溢れた短い言葉が。でもみっしー、返信出来ない。手紙にしてやろうかこんちき――いやいや、これ返しに会いに来いってことだなっ? 行ってやりますわよ、この遮断機を越えてさ待っててマイスイートダーリン、なオチにする予定だったのです。
 敗因としては、このSSに思い入れが無かったこと。嫌々書き続けるのは、苦痛だった。やはり先に書きたい事があって取り組まなければ、こういった惨事になるのだと再認識。いえ、一応二年くらい書いてるはずなのですがね_| ̄|○←馬鹿
 おねこんくーるのほうで挽回しよう。
 うん。
 出来たら、奇跡だよね。