『鋼の錬金術師』第九巻(荒川弘/ガンガンコミックス)

 一昨日あたりに最新巻を読んだんですけども、これも面白いのぅ。
 今巻は激動の内容になっております。主人公のエド・アルに加えて、マスタング、アームストロング等の主要キャラのところが熱いですね。さらには敵さんがたのほうでも動きあり、至るところで戦いが始まっています。この著者である荒川さんは、ストーリ構成が非常に上手。魅せ方、とでも表現出来るんでしょうか。キャラももちろんですが、全体の流れが山あり谷ありのバランスをグッドに動かしています。特に上手いと思ったのは以下の部分。マスタング大佐がアームストロング少佐へ語った一言。ここからはネタバレありです。お気をつけあれ。

「少し疲れが溜まっているようだな少佐。休暇を取ったらどうかね、ん? そうだな……私がいた東部、あそこはいいぞ。都会の喧騒も無いし、何より美人が多い」

 読んだ方はわかると思うんですけども、これによってロス少尉が生きていることがわかります。ですが、これはその文面だけを見れば、アームストロング少佐を左遷する、という内容にも取れる。もちろん、普通に休暇を取れば? との文にも。ここ、激しく上手いですね。一方でミスリードをさせておきながら、真意はとても重要な会話になる、と。「美人」がキーワードだったんですね。これがロス少尉のことなのだと。うはぁと鳥肌が立ちました。
 いいですね、ハガレン。これからも注目していようと思います。